LECTURES

MONO JAPANのレクチャープログラムでは、日本の工芸品・デザインの歴史や物語、 そしてオランダの専門家たちによる日本との共同プロジェクトなど日蘭間でのモノづくりに関する 先進的な取り組みのご紹介など、多様な見地から日本のモノづくりを見ていきます。日本からのモノづくりの作り手やキュレーターがモノづくりへの想いや伝統的な技術について、独自の美意識について語り、デザイナーが背景やインスピレーションを皆さんと共有し、オランダの専門家たちが日本のモノからのインスピレーションにより起こったイノベーティブな動きについてお話しするなど、日蘭の多彩な講演者が登壇します。この機会を是非お見逃しなく。

レクチャーはすべて無料です。事前のお申込みは必要ございません。MONO JAPAN 2019の入場チケットが必要となります。

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gift by gifted 山梨ものづくり産地について

家安 香

gift by gifted コンセプト&デザインディレクター

日時: 2月1日(金)16:00 - 17:00
場所: Lloyd Zaal

ジュエリーとテキスタイル、2つの美しいものを作り続けてきた産地ですが、10年前は絶滅しかけていました。どのように産地が若い人たちを巻き込んで生まれ変わってきたのか、gift by gifted  オオシマカオリ氏が自身の体験をもとにレクチャーします。世界において、小規模かつクリエイティブな産地を作ることの意味は何かを問いかけながら、日本における実例を聞ける良い機会です。是非お見逃しなく!
 

  • Kaori Ieyasu
    家安 香 2007年にオランダのデザインアカデミーアイントホーヘン卒業。Ilse Crawfordが主宰するロンドンのstudioilse、パリのトレンドユニオン本社で勤務。2008年よりトレンドユニオン日本支店代表、2010年にEdelkoort East 株式会社を立ち上げ、日本企業に対してのトレンド発信やデザインコンセプト作り、ブランディングやデザインワークを行っている。2009年より山梨県のテキスタイルやジュエリーの産地ブランディングを担い、数々のプロジェクトを形にする中で、職人や企業の素晴らしい才能や技術、知識を集め、大量消費ではなく大切に使っていけるものを適正な生産で展開していけるブランドを作ろうと企画。大嶋 剛とともに、gift by gifted inc を立ち上げる。
    Website

     

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MUJUNの挑戦、職人の継承

小林 新也

合同会社シーラカンス食堂、MUJUN 代表

日時: 2019年2月2日(土)18:00- 19:00
場所: Lloyd Zaal

MUJUNが生んだ刃物ブランド”播州刃物”は、兵庫県小野市や三木市などの日本でも有数の刃物の産地のブランドです。”播州刃物”の実態は、いくつもの刃物メーカーや職人たちの良い商品をとりまとめ、一つのブランドとして束ねているものです。それは、播州としての産地の姿を消費者に見せることで業者間の垣根を越え、この産地特有の課題を乗り越えようという、若いデザイナー小林新也氏のアイデアです。
彼らの軌跡を知ることで、日本の産地や職人のあり方や歴史、問題や素晴らしさなどを共有しながら、小林氏が現在取り組んでいる”職人の育成”を、現在職人修行中の藤田氏からの生の声を聞きながらお話しいただきます。
夢やおとぎ話ではない、実際の職人というプロフェッションという選択と、その問題や可能性をオランダで一緒に考えます。

  • Shinya Kobayashi
    小林 新也大阪芸術大学デザイン学科卒業。2011年「合同会社シーラカンス食堂」を地元の兵庫県小野市に設立。播州刃物や播州そろばん、石州瓦などのブランディングから商品開発、地域財産を世界市場へ向け「伝える」ことに注力した販路開拓に取り組んでいる。
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現代日本における「趣味の良さ」の変貌

Jurriaan van der Meer

ライデン大学(オランダ)日本文学博士候補生

日時: 2月3日(日)15:00 - 16:00
場所: Lloyd Zaal

「趣味の良さ」や「好み」の概念というのは、複雑です。それは自分自身と他人を区別する方法であり、またコミュニティが形成される方法でもあります。このレクチャーでは日本が海外の文学や芸術に直面した明治期間(1868-1912)において、人々の好みがどのように社会的関係や国家的アイデンティティを形成したのかをじっくりと考察します。趣味の良し悪しや好みについて話すとき何が問題となってくるのか?「趣味がいい」というのはなぜこれほどにも重要なのか?これらの疑問について語るレクチャーです。

 

  • Jurriaan van der Meer
    Jurriaan van der Meerオランダのライデン大学、日本文学の博士候補生。ライデン大学で日本学を学んだ後、ライデン大学、早稲田大学、コロンビア大学(アメリカ)にて日本文学修士号を取得。現在は明治・大正時代の日本の文学界において、好みと美的センスがどのように概念化されたかに関する研究を進めている。
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先進的で自由、そして美しいものが生まれる知的障がい者支援施設、しょうぶ学園

福森 伸

知的障がい者支援施設 しょうぶ学園統括施設長

日時: 2月1日(金) 18:00-19:00
場所: Lloyd Zaal

「しょうぶ学園」は1973年鹿児島市にて、緑溢れる敷地内に個性豊かな建物が自然と溶け合う形で作られた知的障害者支援施設として開設しました。障害を持つ人たちの感性あふれる創作姿勢に魅せられ、1985年から「工房しょうぶ」という、木工、陶芸、染織などのクラフト工芸活動を中心とした利用者の個性が発揮できる創造的な活動を行っています。2006年からはパン工房、パスタカフェやギャラリー、地域住民が利用できる交流スペースなどを敷地内に置くことで、しょうぶ学園自体が地域住民にとって開かれた憩いの場所にもなっています。

今回幸運にもしょうぶ学園の園長である、福森伸さんにオランダにお越しいただき、彼の先進的な取り組みについてレクチャーしていただける運びとなりました。45年続くしょうぶ学園の歴史の中で、父親からこの施設を任され、モノを生み出し、音楽や芸術活動をしたりなど、数々の新しい取り組みを患者に寄り添いながら共に生み出してきた福森園長に、施設利用者の方々から感じる創造性や彼らにとってのモノづくり、またそこから垣間見える人間にとってのモノづくり、生み出すものの価値、しょうぶ学園の今後のビジョンなどをお話しいただきます。

「工房しょうぶ」
「工房しょうぶ」では、木工、陶芸、テキスタイル関係、絵画関係などそれぞれが異なった素材を扱う工房になっています。知的障がいを抱えるとされた入居者や訪問者がそれぞれの個性に合った工房でモノづくりを行います。

ここで作られるのはテーブルウェアからバッグ、アクセサリー、家具まで様々です。しょうぶ学園では、彼らの行為や表現をうまく製品へと落とし込んで販売し、売り上げを彼らに還元することで本人たちのより自由な創作活動を行うことを支えています。市場に合わせた製品を作れるために訓練するのではなく、彼ら自身が自由にモノと向き合い、作り出したものを切り取り、組み込むことで、個性あふれるチャーミングな製品を生み出す仕組みが作られています。

ヌイ・プロジェクト
一般的な手法でものづくりに取り組めない人々も存在します。しかしメンバーたちが、素材に向き合い同じことを非常な集中力と継続力によって、彼らの手法でしか制作できないような、作為も計算もない、生命力の詰まったものが生み出されます。
その一つとしてご紹介するのがヌイ・プロジェクトです。ヌイ・プロジェクトの布と針と糸で作られた作品からは、制作への極度の集中力と型破りに自由な創造性を発見することができます。

  • Shin Fukumori
    福森 伸1983年より障がい者支援施設「しょうぶ学園」に勤務。木材工芸デザインを独学し、「工房しょうぶ」を設立。特に2000年頃より縫うことにこだわってプロデュースした「nui project」は、国内外で作品が高く評価されている。また、音パフォーマンス「otto&orabu」・家具プロジェクト・食空間コーディネートなど「衣食住+コミュニケーション」をコンセプトに、工芸・芸術・音楽等、新しい「SHOBU STYLE」として、知的障がいをもつ人のさまざまな表現活動を通じて多岐にわたる社会とのコミュニケート活動をプロデュースしている。     
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日本とオランダ - 「工芸」についての異文化ディスカッション

Vincent Schipper & Klaravan Dijkeren

Studio The Future

株式会社うなぎの寝床

Date & Time: 2月3日(日)11:30 - 12:30
場所: Lloyd Zaal 

日本はいまだ多くの伝統工芸や産業が残っていますが、オランダは逆にデザインやクリエイティブ産業が発達した国です。このレクチャーでは、Studio The Future、うなぎの寝床、そして佐賀のアーティスト・イン・レジデンスプログラム「オランダハウス」に参加したアーティストたちとのオープンディスカションを行います。トピックは、オランダと日本の工芸やデザインの考え方や現状、2つの国がコラボレーションを行うことの意義や効果など、それぞれの経験からオランダと日本の工芸とデザインの未来を見据えて語り合います。

  • Studio The Future
    Studio The Future はVincent SchipperとKlaravan Dijkerenによって2013年に設立され、アムステルダムを拠点とする編集とデザインスタジオ・キュレーター・アーティストユニット・実験的な試みにフォーカスする出版社です。

    うなぎの寝床は九州ちくご地域のものづくりを伝えるアンテナショップとしてスタートして、現在は「地域文化商社」として、地域文化を残す経済的仕組みを考える、社会的役割を果たすことを理念として活動を行っています。