MJ ONLINE AIRアップデート

MJ ONLINE AIRの日蘭クリエイティブ・ペア1<ポール・べウマーと金井志人>とペア2<コジマチカラとスタジオ・ニーンケ・ホーフフリート>との2組の間で行われているオンライン・ミーティングも、今週で4回目を終えました。

最初の2回のミーティングでは日本側の参加者である金井志人とコジマチカラの自己紹介と、それぞれの工房で自身の制作する商品や作品、伝統工芸について紹介していただきました。

3回目のミーティングではオランダ人クリエイター側の自己紹介が行われました。ここまででMONO JAPANは今回のプログラムの日蘭参加者のマッチングがうまく機能していること、ペアとなった日蘭の参加者の間で個人的にも作家的にも信頼と敬意がお互いに対して持たれていることに、非常に満足しています。


MJ ONLINE AIR ペア1:ポール・べウマー&金井志人

 

 

ペア1のセッション1のYouTube動画

 

第1回目のミーティングでの、金井志人からの自己紹介と工房での染めの様子の説明から、ポール・べウマーはすでに染料作りの過程で発生するカビのようなもので布を染めてみようと提案しました。金井もこのスピーディーさと自由な発想を喜び、2回目のミーティングではすでにその結果を見てみることができました。

煉瓦色のような赤茶がロールシャッハ・テストのような図としてテキスタイルに現れたのを見て、すぐさまべウマーから「藍染で発生する泡を置いてみよう」とまるでキャンバスに自由に色を置くように、素早く新しい宿題が金井に出されました。このように、この二人のペアは最初から共鳴度が高くお互いに対する信頼と自由なチャレンジを楽しむ姿勢が共通しており、毎回楽しく刺激的な対話が展開しています。

第4回目のミーティングでこれからの彼らのおおよそのプランができました。これまで車輪梅の赤茶と藍で染まった布を、これから泥や草木染めで染め重ねる実験が繰り返されます。また布を染める際の土台の木や染めている最中の布の上に和紙を重ね、他の素材でも彼らの実験を発展させていきます。

 べウマーの希望を確認する金井、第4回のミーティングでは布中央に藍が加わっている

べウマーによる彼のアイデアの説明スケッチ


MJ ONLINE AIR ペア2:コジマチカラ&スタジオ・ニーンケ・ホーフフリート

このペアはお互いたくさんのストーリーを有する組み合わせです。コジマチカラは若い竹工芸家です。竹工芸や竹の素材や歴史についてたくさん考え、研究し、分析する人柄から、初回2回のミーティングでは、竹に関する広範な彼の知識が披露され、竹の理解が深まるだけでなく、素材の持つ魅力と社会的な問題点が明らかになる素晴らしい内容でした。

熱心に丁寧に竹に関する全てを伝えるコジマ

第3回目のミーティングはスタジオ・ニーンケ・ホーフフリートによる彼らのこれまでのプロジェクトのプレゼンテーションが行われました。美しい写真と共にそれぞれのプロジェクトに対する問題提起とアイデア、苦労話も含んだプロセスなどが紹介されました。非常に価値のある内容で、どのプロジェクトにも一貫しているのが、彼らのサステイナビリティーへの探究心です。今回の竹という素材を扱う上でもサステイナビリティーは一つのキーとなってくるでしょう。

スタジオ・ニーンケ・ホーフフリートのMOURNでは、廃水からバイオプラスチックを作り火葬灰と混ぜた展示を行った

スタジオ・ニーンケ・ホーフフリートの2人のデザイナー、ニーンケとティムはコジマの紹介する日本の多様な竹をどうしても実物で見たり触ったりしてみたいと希望し、コジマの提供する竹の端材サンプルを輸送することになりました。またオランダ、ライデン市にある日本の多くの収蔵品を有する民族学博物館の協力により、ニーンケとティムは収蔵庫の多様な竹の品々を見学します。この模様は撮影許可を得、動画としても配信できることになりました。

彼らの第4回目のミーティングでは、前回のスタジオ・ニーンケ・ホーフフリートのプレゼンテーションに対するコジマからのたくさんの質問へ回答、またニーンケたちからも多くの質問があり時間内で収まらなくなるほどです。全員が当初設定の10回のミーティングを超える回数になっても継続しようという合意が交わされた、非常にモチベーションの高いミーティング内容でした。 


MONO JAPANはこれまでのミーティング内容をオンライン配信すべく、動画編集を進めています。どうぞご期待ください!

MONO JAPAN財団は新しい日蘭のクリエイティブ・パートナーシップのプラットフォームのモデレーターとして本プロジェクトを主催、運営しています。

本オンラインAIRプログラムは、オランダの文化助成団体「 Creative Industries Fund NL」と在東京のオランダ王国大使館からのサポートにより実施されています。